第一話
1 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:04:31
ID:d1MkZiSq0
( ^ω^)「今日は雪がすごいお」
ξ*゚听)ξ「さむっ!ちょっとブーン、マフラー貸しなさいよ!」
(;;^ω^)「ボクだって寒いお ツンはマフラー持ってないのかお?」
ξ*゚听)ξ「・・・無くしたのよ」
( ^ω^)「・・・ドジ(ボソッ)」
ξ*゚听)ξ「なんか言ったあぁぁぁぁ!?!?」
2 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:05:12
ID:d1MkZiSq0
いつものツンならここで右ストレートをお見舞いするところだが、
今日の寒さでは制服のポケットから手を出すのも億劫だった。
お気に入りのマフラーを無くし、機嫌の悪そうなツンを宥めるようにブーンが言った。
( ^ω^)「もうすぐクリスマスだし、ツンにマフラープレゼントしようかだお?」
ξ*゚听)ξ「なっ!なによ急に!ウソだったら承知しないわよ!!!」
( ^ω^)「ホントだお どうせイブは皆で過ごすことになるんだお?」
そう言って後ろを振り返る。
二人の男が並んで歩いていた。
3 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:05:46
ID:d1MkZiSq0
('A`)「基本的に盛り上がるのはお前ら二人だけだろうけどな」
(´・ω・`)「その日はパパの店使っていいよ。個室を用意してもらったから」
( ^ω^)「そういうわけだおツン」
('A`)「そういやツンには内緒にしてたな。少しはびっくりしたか?」
ξ*゚听)ξ「せっかくのイブもまたアンタら3馬鹿と一緒じゃムードも何も無いわね」
(^ω^;;('A`(´・ω・` 「テラヒドス」
4 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:06:16
ID:d1MkZiSq0
そう言いながらもツンの機嫌はすっかり良くなっていた。
欲を言えば二人きりでイブを過ごしたい所だが
この二人の性格上、それを言い出す事は転地がひっくり返ってもないだろう。
それでもブーンと過ごせるイブが何よりも待ちどうしかった。
いつもの倍は時間がかかる雪道の登下校も
それだけ長い時間一緒に居れる・・・二人は冬が好きだ。
5 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:07:36
ID:d1MkZiSq0
今日もいつもと変わらない日常、いや、いつもよりいい日になってもおか
しくないような一日の始まり。
('A`)『いいことがあるとロクなことが無い』
幸の薄い人生を歩んできたドクオにとってその一言は人生の糧(かて)のようなものである。
('A`)「(まぁ今日くらいはいい日になって欲しいな・・・)」
学校に着くとそれぞれの教室に皆が散っていく。
ブーンは5組、ショボンとツン6組、ドクオは7組に籍を置いている。
自分の机に荷物を置くと真ん中の2組へ4人が集まる。
チャイムが鳴るとクラスに戻り、授業が終わるとまた2組へ集まる。
毎日がその繰り返しだった。
7 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:09:00
ID:d1MkZiSq0
─2組─
(´・ω・`)「そういえば今日は進学科の連中が大学の見学とかで居ないらしいね」
('A`)「って事はこのに居る男はオレ達くらいか」
進学科とは1〜4組までのクラスを指す。ブーン達5〜8組は普通科である。
全校生徒の1000人の内訳男子はわずか260余名。
そのうちの男子240人が進学科所属のため、普通科に居る男子は貴重な存在と言える。
そのため普通科では女子の方が権力が強く、ツンのような男子を圧倒する女子も数多く居る。
( ^ω^)「ハーレムみたいだお・・・・うはwwwwwww夢がひろがりnくぁwせdrftgふじこ」
ツンの右ストレートがブーンの頬を直撃した
ξ*゚听)ξ「ったく、男共ときたら!」
(´・ω・`)「ドクオも女目当てでここに入ったくらいだからね。頭いいくせに」
('A`ll)「・・・・・うるせ〜・・・・・・」
13 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:15:58
ID:d1MkZiSq0
キーンコーンカーンコーン
( ^ω^)「チャイムなったからそろそろ戻るお」
ξ*゚听)ξ「授業中寝てるんじゃないわよ」
(;;^ω^)「分かってるお・・・」
('A`)「じゃあまたな」
(´・ω・`)「お前は少し寝ろ」
('A`ll)「・・・・」
14 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:16:32
ID:d1MkZiSq0
─1組─
( ^ω^)「今日の一時間目は英語だお・・・・・英語は苦手だお・・・・」
クラスメイト「英語の○○先生、今日は大学の見学行ったから居ないよ」
( ^ω^)「じゃあ自習かもしれないお!!!!!!!!111111」
教室のドアが勢いよく開く。そこには見たことも無い人物が立っている。
およそ日本人ではないその男は教壇の前に立つと、ざわつく教室をよそに静かにこう言った。
???「Hello.Nice to meet you. My name is Excite」
15 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:18:04
ID:d1MkZiSq0
エキサイトと名乗るその男は怪しい日本語でこう続けた
エキサイト先生「私はこの学校の教師です それはこの学校で新たに英語を教えました」
(;;^ω^)「日本語でおk」
クラスメイト(国語5の奴)「・・・・・『私は新しくこの学校で英語を教える事になりました』って事かな・・・・・・」
( ^ω^)「ちょwwwwwwwおま天才wwwwwwww把握した」
クラスメイト達「>>国語5 GJ」
エキサイト先生「そして、授業は始められます」
(;;;;;;;;;;;;;;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・」
クラスメイト達「・・・・・・・・・・・・・・・・」
17 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:25:03
ID:d1MkZiSq0
エキサイト先生による授業は淡々と進められ、
訳の分からない日本語を混ぜたその授業はとても分かりにくく
1時間目の半分が過ぎたころには既にクラスの大半は机に伏せっていた。
( ^ω^)「ぼくも眠くなってきたお」
ブーンがうとうとし始めたころ、教室の前と後ろのドアが同時に勢いよく開けられた
18 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:30:52
ID:d1MkZiSq0
クラス中が一気に騒がしくなり、さっきまで寝ていたものは状況を読み込
めていない。
一人の男がポケットから細長く、黒い異型のものを取り出した
────折りたたみ式のナイフだ
甲高い女子の声が教室、そして廊下まで響き渡る。
ナイフを持った男はドアのすぐ近くに居た生徒を強引に立たせノド元にナイフを突き立て、落ち着いた声でこう言った。
「静かにしねえとこいつノド切るぞ」
22 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 21:41:55
ID:d1MkZiSq0
一瞬で静かになった教室に、男の声だけが響く。
「座れよ 殺すぞ」
皆が席に着いたとほぼ同時に、まだ静かになっていない男がいた
エキサイト「Stop it. !!!!!!!!」
男「ここは日本なんだよ。日本語で喋れや」
先生の右腕に、鋭く冷たい物が突き刺さった
エキサイト「AHHHHHHH!!!!!!!!」
38 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 22:09:52
ID:d1MkZiSq0
いくら悪人でも、こんなに冷静に人を刺すものなのだろうか。
刺されたエキサイト先生は周りに居た男達の手によって何処かへ連れて行かれた。
無理も無い、大人の男が居ればそれだけで目的の邪魔になる。
よく分からない先生ではあったが、武器を持った連中に立ち向かう勇気が彼にはあったことは確かだ。
先生の居なくなった5組には、怯える生徒を支える物は無い。
ましてやこのクラスの男子はブーンと、目立たないガリ勉タイプの男の子のみ。
ブーンは人知れずそのプレッシャーを感じていた。
(::^ω^)「(今はまだじっとしているしか無いお・・・・・)」
幸い男はそれから動きを見せない。
ただ一つ、ナイフがまだ女子のクビ元に添えられていること以外は。
39 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 22:13:22
ID:d1MkZiSq0
あれだけの騒ぎなのに誰も5組の惨事に気付かなかったのには訳があっ
た。
7組、8組は別の教室で授業をしていた。そして普通科の連中は学校に居ない。
6組は何故気付かなかったのか・・・・・・いや、気付けなかった。気付く余裕が無かった。
ここにもまた、凶器を持った数人の男が生徒を人質に取っていた。
人質は──────ツン
ツンに向けられていたのは刃物ではない。
布か何かで覆っているが、その黒く不気味に光る物がなんなのかは直感的に分かった。
───────拳銃?
42 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 22:31:03
ID:d1MkZiSq0
ξ*゚听)ξ「・・・・・・・・・・・・・」
青冷めたツンは一言も言葉を発することが出来なかった。
が、自分のおかれている状況は分かっていた。
ξ*゚听)ξ「(拳銃・・・・・?まさか・・・・ここは日本よね・・・・・もしかしてモデルガン・・・?)」
───どうせ偽物だろう───
現実離れしすぎたものを直に見せられた今、そう考えるほうが自然だった。
『布で隠しているのが何よりの証拠、どうせエアガンか何かじゃないのか・・・・』
「そんなもん偽物だろバーーーーカwwwwwwww」
クラス一のひょうきん者の男子がそう叫んだ
それに安心したのか、クラスがまたざわつき始める。
( ´,_ゝ`)「・・・・・・・・・・」
無言で銃を持った男は天井に銃口を向けた。
パアァァァァーーーーーーーーン
銃口からは煙が漏れ、薬莢が床に落ちるカランカランという音が静かな教室によく響いた。
43 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 22:42:06
ID:d1MkZiSq0
あまりのショックに気が動転して、クラスにまたとてつもなく重苦しい静
けさが戻る。
口をパクパクさせるが言葉にならない。泣き出す者も居る。それを周りが必死で泣き止まそうとしている。
またうるさくなっては誰かが殺されるかもしれない。泣くのをこらえ、嗚咽だけが漏れていた。
さっきのひょうきん者は、自分が殺されるのではないのかという恐怖からか、小刻みに体が震えている。
誰一人として銃を偽物であると疑う物は居なかった。
ただ一人を除いては
44 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 22:49:55
ID:d1MkZiSq0
(´・ω・`)「・・・・・・・・」
視力2.0の小さな瞳がジッと天井を見つめていた。
天井には何も無い。シミも傷も、そして
銃弾の当たった跡さえも
天井に穴は開いていなかった。
男は教壇の脇でツンを抱え、そこから上に向け発砲した。
前から2列目に座るショボンの目、ましてや視力2.0に銃痕が見えないはずはなかった。
(´・ω・`)「(穴が開いてない・・・・・・やっぱり偽物・・・・?)」
46 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 22:54:07
ID:d1MkZiSq0
が、しかし薬莢は確かに床に落ちた。
銃口からは焦げ臭い臭いも、煙も出ている。
そこまで精密なモデルガンがあるのか・・・・?
『無い』とショボンにははっきり言えなかった。
その辺りの知識は無い。
(´・ω・`)「(一発目だけ威嚇用に空砲だったのかもしれない・・・)」
47 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/16(金) 23:13:14
ID:d1MkZiSq0
ドクオは理科の授業のため教室を離れていた。
('A`)「保健室でも行ってサボるか・・・」
頭のいいドクオにとって一時間くらい授業を休むことはなんでもなかった。
('A`)「先生・・・具合悪いんで保健室行ってきます・・・・」
元々顔色の悪いドクオだ。疑うことなく先生は早く行くよう諭した。
保健室までの時間『どうやって言い訳して休もうか』というばかり考えていた
1000人も居るこの学校では授業をサボるために保健室に逃げる生徒も多く居る。
いちいちベットで寝かせていたのではラチがあかない。
生半可な演技ではすぐに返されてしまうのだ。
('A`)「(第一声が大事だな・・・・)」
ドアをゆっくりゆっくり開いた
('A`)「先生・・・・・・吐きそう・・・・・・」
しぼり出すような声、もちろん演技だが弱弱しくそう言った。
次の瞬間、ドクオはその目を疑った。
99 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:22:29
ID:/kZoRRH00
('A`)「これは一体・・・・」
保 健 室 に 誰 も 居 な い ! !
('A`)「(珍しいな・・・。勝手に休ませてもらうか)」
ドクオが保健室のドアに貼ってあった『保健担当出張のため、保健室使用禁止』
の紙に気付いていなかった。ドクオ以外誰も居ないの当然である。
仕切りのカーテンを閉めドクオは深い眠りに入った
100 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:23:06
ID:/kZoRRH00
────5組────
ブーンはただひたすら落ち着こうとしていた。
( ^ω^)「(外国とかでこういう事件あったお・・・まさかぼくの学校がこんな目にあうなんて・・・)」
クラスの女子の希望はもはやブーンただ一人と言える。
もう一人の男子先ほどから震えているなかりではまったく頼りにならない。
その事をブーンは分かっていた
( ^ω^)「(犯人の目的はなんだお・・・・聞いてみるかお・・・・)」
ブーンは一言一言ゆっくりと、尚且つハッキリとナイフを持った男に問いただした
(;;^ω^)「貴方達の・・・・・・も、目的はなんだお・・・?」
笑みを浮かべたままナイフを女子生徒の首元に添えている男は明らかに場違いな口調でこう言った。
m9(^Д^)「お前の体じゃないことは確かだなwwwwwwwwプギャーwwwwwww」
言い終えた丁度その時
パアァァァァァーーーーーーーーン
101 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:23:24
ID:/kZoRRH00
──────銃声!?
キャーという悲鳴とともにクラスはまたざわつき始める。
m9(^Д^)「6組だな アイツ誰か殺しちゃったのか?
(;;^ω^)「(6組!?ショボン、ツン!!!!!!)」
笑みを浮かべた男は無線を取り出し、てどこかへ連絡しようとしていた。
102 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:24:02
ID:/kZoRRH00
m9(^Д^)「こちらプギャー 6組、応答汁」
( ´,_ゝ`)「フーンだ 6組の制圧が完了した 5組の状況を伝えろ」
m9(^Д^)「人質を取ったら皆おとんしくなったよ さっきの銃声でまたうるさくなったがな」
( ´,_ゝ`)「ガキが拳銃をニセモンだと言いやがったから天井に撃っただけだ」
m9(^Д^)「プギャーwwwwwwww」
ナイフを持った薄ら笑いを浮かべている男はプギャーという名前らしい。
103 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:24:29
ID:/kZoRRH00
無線から漏れる男の言った言葉から、銃弾は人に向けて撃たれたものでは
ない。
それが分かったブーンは少しだけホッとしていた。
(;;^ω^)「(でも隣のクラスの男は拳銃まで持ってるんだお・・・)」
そう思うと背筋に冷水でもぶっかけられたような思いになるのだった。
( ^ω^)「(教室の後ろと前の入り口に一人づつ・・・ナイフを持った男で計3人も居るお・・・)」
( ^ω^)「(隣も3人くらいかお・・・やっぱここはおとなしくしてるしかないお・・・・・)」
( ^ω^)「(こいつら何が目的なんだお・・・・)」
105 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:29:28
ID:/kZoRRH00
ブーンはまたさっきと同じ質問を繰り返す。
今度は少し口調を強め、クラスのざわめきを割るように言った。
( ^ω^)「アンタ達の目的はなんだお!?ぼく達を解放してれお!!!!!!111111」
解放してくれるはずがない───そんな事は分かっていた。
だが今はそれしか言う言葉が見つからなかった。
106 名前: 以下、名無しにか
わりましてVIPがお送りします 投稿日: 2005/12/17(土) 12:36:10
ID:/kZoRRH00
───現在状況───
1〜4組 校外学習にて不在
5組 m9(^Д^)により制圧 武器「折りたたみ式ナイフ」 犯人3名
6組 ( ´,_ゝ`)により制圧される 武器「拳銃?」 犯人数名
7,8組 特別教室にて授業中
( ^ω^) 5組の自分の席に着席中
(´・ω・`) 6組の自分の席に着席中
ξ*゚听)ξ 6組にて人質に取られる
('A`) 7組、理科の授業を抜け出し保健室にて睡眠中
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