第十一話

85 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 20:50:56 ID:31KasPL8O

内藤は階段を走り抜け、地下の巨大な部屋へと飛び込んだ。

そこには、二十メートルはあろうかという巨大な装置が縦に延び、その前に静かに人影が佇んでいた

( ^ω^)「ドクオ!!!」

内藤は人影に向かってその名を叫ぶ。
ドクオは振り向かず、その巨大な装置を見上げたまま語りだした。

._ヽ∧!
(−シ○)「凄いだろう。これはあの女が楽園を造るために必死こいてこさえたモノだ。
     だがコイツは地獄の門を開くための装置になっちまった。俺の手でな。」
ドクオはゆっくりと振り向く。

._ヽ∧!
(−シ○)「そしてここは地獄の入り口にして最深部。
     終わりの始まりで満たされた空間。
     どうだ?なかなかイカすだろう?」

( ^ω^)「今すぐその装置を止めるお!!!」

._ヽ∧!
(−シ○)「くっ‥‥くくくく‥‥ヒャハハハハ!!!
     止めろ!!!止めろってか!!!!ヒャハハハハ!!!
     お前自分の立場分かって言ってんのか?」
 
87 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 21:09:54 ID:31KasPL8O

( ^ω^)「分かっているお!!それでも僕は立ち止まれない お!!!!
      立ち止まったら僕の大切な物は指の間からこぼれ落ちてしまうお。だから僕は走りつづけるんだお!!!」

内藤の叫びにドクオは高らかに笑い声を上げる

._ヽ∧!
(−シ○)「ヒャハハハハ!!!大切な物!?
     そんなモンにどれだけの価値が有る?
     どうせ何もかもいつかは朽ちて消える物だ。
     だが俺は違う!!!俺は永遠だ!!!!俺は絶対だ!!!!
     俺は神の座すらも奪い取ったんだ!!!!悪魔の力を以てな!!!!」

( ^ω^)「人の生き死には結果じゃないお!!!!
      誰しも幸せな人生を送りたいんだお!!!でも大事なのは幸せな人生を送った、と言う結果じゃないお!!!!
      幸せな時間のその瞬間を生きるために、僕は僕の大切な物を守りたい!!
      誰かの大切な物を守りたいんだお!!!!!」
 
89 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 21:19:57 ID:31KasPL8O

._ヽ∧!
(−シ○)「チッ‥‥お前の戯れ言‥‥いちいち反吐が出るぜ‥‥
     いいだろう。お前を滅ぼしてお前の全てを否定してやる
     お前が信じている物がどれだけ脆弱な物か思い知らせてやる」

(; ^ω^)「くっ」

._ヽ∧!
(−シ○)「運の良いことに<扉>が開くまでまだ少し時間がある
     ゆっくりと時間をかけてなぶり殺してやろう。
     感謝しろよ。神となる者に直々に殺していただけるんだからな!!!ヒャハハハハ」

( ^ω^)「‥‥‥‥ッ!!!!」

内藤は歯を噛みしめ覚悟を決める。
届かない想いかもしれない。それでも折れてしまうわけにはいかない。
絶対に

94 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 21:54:55 ID:31KasPL8O

 _く_ゞ
(シ○∀O)「ライダーキイィィィィィッッック!!!!!!」

.∧_∧
<´ェ`>「グルルル‥‥ルル‥‥ル‥‥」

長岡の渾身の一撃が怪人を貫き、怪人の体は光へと還っていく。
次の瞬間、力を使い果たした長岡はドサッとその場に倒れこんだ

  _  
(; ゚∀゚)「くっ‥‥ハァハァ‥‥何とか片付いたが‥‥結局もうちょい動けそうにないな‥‥」

その時、ゴロンと寝返りを打ち、仰向けになった長岡の視界にヨロヨロと動く影が入った

  _  
( ゚∀゚)「よう。そんなボロボロでどこに行くんだ?
     それともあれか?お前も想いだけで何とかなると思ってるクチか?」

「申し訳ありません。主よ‥‥。私は彼を死なせたくはない。あなたを裏切ることになってしまった‥‥」

  _  
( ゚∀゚)「心配すんなどうせ俺も後で行く」

「‥‥すみません。」

長岡はその答えにフッと笑い目を閉じた

  _  
( ー∀ー)「うるせーよ。気にするなと言っただろう?
     それよりこっち見んな。」

103 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 23:17:35 ID:31KasPL8O

(; ^ω^)「ぐああ!!」

ドクオの硬い拳が内藤のボディーにめり込む

内藤はこみ上げる吐き気を必死に耐える。
だが、体勢を整える間もなくドクオの蹴りが内藤の顔を打ち、内藤の体は呆気なく吹っ飛んだ。

一体どれほどの攻撃を打ち込まれただろうか。
内藤の生身の体はとっくに限界を越えていた

(メ^ω^)「うおおお」
それでも内藤はドクオに挑みかかる。
だが、内藤がパンチを繰り出す間もなく、ドクオの拳が内藤のみぞおちに入り、内藤は口から血を吐き地面に崩れた。

(メ^ω^)(‥‥限界かお‥‥)

104 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 23:25:34 ID:31KasPL8O

( ^ω^) (届かなかった‥‥でも‥‥もう‥‥いいお‥‥)

内藤の拳から力が抜けていき、意識が薄れていく

     「もう諦めるのか?」

朦朧とする意識の中で、聞き覚えのある声が内藤の頭の中に響く。

     _■_
   川´⊇`)
   <!><!」
   | | |
   (__)_)

( ^ω^)(父さん‥‥)

  _■_
川´⊇`)「もう諦めるのか?ホライゾン」

( ^ω^) (もう‥‥いいお‥‥僕はもう疲れたお‥‥)

  _■_
川´⊇`)「ホライゾン‥‥本当にいいのか?
     お前はこんな事で諦める子じゃなかった筈だ」

( ^ω^) (いいんだお‥‥結局僕じゃ届かなかったんだお‥‥)

106 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/14(水) 23:43:11 ID:31KasPL8O

  _■_
川´⊇`)「ホライゾン。私はお前に強く、優しい人間に育って欲しかった
     地平線の向こう、見知らぬ場所でも誰かを思いやることが出来るような人間になって欲しかった
     だからお前にホライゾンと言う名前を付けたんだ。
     そしてお前は強い人間になってくれた。」

( ^ω^) (‥‥‥‥)

  _■_
川´⊇`)「お前は沢山の大切な物を持ち、沢山の人間に愛してもらえた。
     だから、それを守らなくてはいけない。
     それは確かに時に重りになるかもしれない。でもお前はその分沢山の可能性を持っているんだ。
     お前はまだまだ走って行ける。光る風すらも追い越していけるんだ。」

( ^ω^) (父さん‥‥でも‥‥僕にはもう力が‥‥)

110 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/15(木) 00:00:55 ID:nzYSUdCvO

  _■_
川´⊇`)「お前は力を失った訳じゃない。
     信じるんだ。力はきっとお前の想いに応えてくれるはずだ。」

( ^ω^) (‥‥わかったお。僕はまだ走りつづけるお)

  _■_
川´⊇`)「そうだ。お前はやはり私の自慢の息子だよ。ホライゾン。
     お前が強く育ってくれた事。私は本当にうれしく思う。」

( ^ω^) (ありがとうだお。父さん。)

267 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 21:20:27 ID:gtfRNu/dO

._ヽ∧!
(−シ○)「何だ?もう終わりか?口ほどにも無え野郎だ」

ドクオは床でうつ伏せで倒れたまま動かない内藤に毒づいた

( ^ω^)「‥‥‥‥う‥‥う‥‥」

._ヽ∧!
(−シ○)「おっ!!まだ生きて‥‥ッッッッッ!!!!なんだ!?」

ドクオは内藤の気配の変化に気が付いた。
内藤の力が強まってきている

._ヽ∧!
(−シ○) (チッ。失った筈の光の力が戻りつつあるのか?‥‥うざってえ!!!!)

ドクオは内藤に向けて右手の手のひらを突き出した。
そしてそこから赤い光がほとばしる。

._ヽ∧!
(−シ○) 「面倒な事になる前に殺させてもらうぜ。
      終わりだクソガキ。」

ドクオの手のひらから丸い光の塊が内藤目掛けて放たれる。

268 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 21:21:08 ID:gtfRNu/dO

光が内藤の体を直撃する寸前に黒い影が内藤に立ちはだかるように飛び込 んできた。

光弾が爆発し、閃光と爆音が辺りを包む。

内藤はその激しい音に意識が覚め、うっすらと目を開ける
そこには光弾に撃たれ、満身創痍の一人の男の背中が有った。
男はゆっくりとその場に崩れた。

内藤は急いで男の上半身を抱え起こした

( ^ω^)「お前!!何でだそんな無茶をしたんだお!!!!」

( ゚д゚ )「言っただろう‥‥お前の先にある未来を見てみたくなったと‥‥」

( ^ω^)「だからって!!こんな!!‥‥こんな‥‥」

269 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 21:24:03 ID:gtfRNu/dO

( ゚д゚ )「気にするな‥‥俺は何も悔いはない‥‥
     私はずっと後悔していた‥‥光の力を手にし冥界で生きる事を選んだことを‥‥
     だがお前が現れた。お前が私の迷いを吹き飛ばしてくれた。
     私は嬉しかった‥‥嬉しかったんだ。」

( ^ω^)「‥‥‥‥」

( ゚д゚ )「お前はいつも迷いを乗り越えて来た‥‥
     迷わない人間が強いんじゃない‥‥迷いを乗り越えた人間が強くなれる事を教えてくれた。
     私はお前程速く走る人間を見たことがない‥‥なあ‥‥迷いを乗り越えた今の私ならお前に追い付く事が出来るだろうか‥‥」

( ;ω;)「出来る!!出来るお!!!!だから死ぬなお!!!!」

270 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 21:27:21 ID:gtfRNu/dO

( ゚д゚ )「ふふ‥‥そうか‥‥
     ‥‥なあ‥‥最期に名前を教えてくれ‥‥
    ‥‥お前の‥‥本当の名前‥‥」

( ;ω;)「最期なんて不吉な事言うんじゃないお!!!
     せっかくやり直せるんじゃないかお!!!!!」

( ーдー )「‥‥‥‥‥‥
     ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」

内藤の叫びも虚しく男の体から力が抜ける。
がくん、と男の腕が床に着いた。


( ;ω;)「おい‥‥何寝てるんだお‥‥起きるお‥‥」

( -д- )「‥‥‥‥‥‥‥」

( ;ω;)「おい!!!こっち見るお!!!!こっち見ろって言ってんだお!!!!
     ‥‥‥お願いだお‥‥‥‥こっちを見てくれお‥‥頼むから‥‥」

272 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 21:40:49 ID:gtfRNu/dO

( ;ω;)「う‥‥うう‥‥」

男の体が光の粒へと変わり散っていく。
その中で泣く内藤に向かいドクオが毒づいた。

._ヽ∧!
(−シ○)「馬鹿な野郎だ。大きな力を持ちながら脆弱な心がそれを使いこなす事が出来なかった。
     所詮ゴミはどこまで言ってもゴミのままだ」

( ;ω;)「ゴミだと!?コイツをゴミと呼んだな!!!」

._ヽ∧!
(−シ○)「ああ。ただのゴミさ。結局そいつも力の使い方を知らないままくたばった。
     そいつが意味もなく自分の力の使い道を探し続けていたのがいい証拠だ。
     ましてや最期の最期にお前みたいなクズを助ける為に死んでいったんだ。正にただのゴミさ。ヒャハハハハハハハハ!!」

( つω;)「許さないお‥‥!!!
     人の想いを踏みにじり嘲るお前を絶対に許さないお!!!!」

273 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 21:52:52 ID:gtfRNu/dO

内藤は涙を拭いゆっくりと立ち上がる。
内藤の周りの光が内藤のベルトへと吸い込まれていく。

._ヽ∧!
(−シ○) (ヤツの光の力を吸収してやがるのか!?)

( ^ω^)「僕の名前はホライゾン!!内藤ホライゾンだ!!!!!」

内藤はバッ、と両腕を左に伸ばす。
光が内藤の体を包み込んでいく

    (^ω^)⊃  「変身!!!!!!!」
    (⊃◎:)
   /  ヽ

内藤の叫びと同時に体を包む光が一層と強くなる。
そして内藤の体は別の物へと変化していく

     ヽ   !
    (=ЮωO)⊃
    (⊃¥)
   /  ヽ

._ヽ∧!
(−シ○) (チッ!!ヤツの力が呼び水になって完全に力を取り戻しやがったか!!!!)

 ヽ   !
(= ЮωO)「もうこれ以上悲劇を繰り返させはしないお!!お前を倒してこの悲劇に終止符を打ってみせるお!!!!!」

278 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 22:15:16 ID:gtfRNu/dO

 ヽ   !
(= ЮωO)「うおおおお!!!!!」

内藤はドクオに殴りかかる。

._ヽ∧!
(−シ○) (速い!!!!)

内藤の拳がドクオの顔面を打ちええる。

._ヽ∧!
(−シ○)「グッ!!!」

ドクオの体が少しよろめいたが素早く体勢を整え反撃のパンチを繰り出した。

 ヽ   !
(= ЮωO)「うっ!!!」

だが内藤は怯まない。
反撃など意に介さずドクオに向かい強烈な攻撃を叩き込んでいく。
ドクオは押されつつある状況にたまらず距離を取った。

._ヽ∧!
(−シ○) (チッ。ヤツの力を吸収してパワーアップしてやがる)

280 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 22:31:56 ID:gtfRNu/dO

内藤はドクオに向かって素早く左手を向けた。

 ヽ   !
(= ЮωO)つ「VIPビーム!!!!!!!!」


            ノ ̄ ̄\                       _ _ ___ _ __ _
 ≡. ヽ   ! V /  / ̄ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄__ _ _ __  _ __ _
≡ (=ЮωO)⊃I   /     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                
≡ (⊃¥)   P  ヽ    ________________  _ _ ___ _ _ __ __ _
 ≡/  ヽ    \ ヽ_/___________________ _ _  _ _  _
            ヽ___ノ

._ヽ∧!
(−シ○)「チッ!!!」

ドクオは舌打ちすると両腕を顔の前で交差させ、防御の体勢を取った。

284 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/12/16(金) 22:49:16 ID:gtfRNu/dO

ビームが少しずつ細くなり、やがて収まった。
ドクオはそこに立っていたが、確実にダメージを負っていた。

._ヽ∧!
(−シ○)「クソが‥‥」
 ヽ   !
(= ЮωO)(押している!!これなら行けるお!!)

その時、床が大きくぐらついた。否、床だけではない。建物すべてが振動していた。
それと同時に装置から激しい光が放たれた

 ヽ   !
(= ЮωO)「今度はなんだお!?」

._ヽ∧!
(−シ○)「始まったか‥‥時間切れだ。冥界の扉が開く。
     いいだろう。遊びは終わりだ。俺も全力で行こう。」

 ヽ   !
(= ЮωO)「何!?」

._ヽ∧!
(−シ○)「俺はまだ悪魔の力を全て引き出していない。
     見せてやろう!!悪魔の真の力を!!!!!」


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