第四話

42 名前: 1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/09(水) 23:11:41 ID:ocmtmxvgO

マスターは平たい白い皿を食器棚から取り出し振り返った。

(´・ω・`) 「‥‥取りあえずリンゴが切れた。食べて欲しい。」

マスターは切ったリンゴが盛られた白い陶器の皿を内藤の前に置いた。
普通に盛ったはずが何となく綺麗に盛り付けてあるように見えるのがこの人の凄いところだ。

(´・ω・`)「実はね‥‥私の方も幾つか収穫があったんだ。」

マスターは内藤の実家で見つけてきた内藤の父親の日記を差し出した。

(´・ω・`)「ここを見てくれ。よく見るとページが破られてるだろう?」

( ^ω^)「ほんとだお。日付も飛んでるお」

(´・ω・`)「それで一通り見てみたんだが‥‥‥ここだ」

マスターはパラパラとページをめくり内藤に手渡した。

47 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/09(水) 23:25:17 ID:ocmtmxvgO

(´・ω・`)「ここに君の付けているベルトが発掘されたときの話が書 かれている」

内藤は日記をのぞき込んだ。日付は十年以上前の物だった


199X年X月10日

○○○○○国の古代遺跡から三つのオーパーツを発掘。

・光の力を増幅するための物と見られる装置
・何かを象った巨大なオブジェクト?→用途は不明
・赤い━━━━━

これで私の仮説が証明される‥‥。
思えばあの数年前の実験の事故‥‥皮肉にもあれが仮説の信憑性を高めるきっかけだった‥‥。

もうすぐ‥‥もうすぐ彼女を助け出せる‥‥。

54 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/09(水) 23:41:46 ID:ocmtmxvgO

(´・ω・`) 「この日記には後のページに発掘されたオーパーツの研 究結果も書かれていたんだが‥‥。
       三つ目のオーパーツ、<赤い━━━>‥‥その先はかすれて読めないが‥‥、それだけ研究結果が一切

書かれていないんだ。」

( ^ω^)「どういう意味ですかお?」

内藤は顔をあげた

(´・ω・`)「恐らく三つ目のオーパーツに関するページだけが破られているのではないかな‥‥
      もしかするとアイツが自殺した理由にも関係しているかも知れない‥‥」

( ^ω^)「何でそう思うんですかお?」

(´・ω・`)「最後のページを見てくれ‥‥。」
内藤は急いでページをめくる。そこには‥‥

( ^ω^)「破られているお‥‥」

56 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/09(水) 23:59:37 ID:ocmtmxvgO

(´・ω・`)「あの家には誰も侵入した形跡はなかった‥‥
      アイツが自分で破ったんだろう‥‥」

( ^ω^)「何のために‥‥?」

(´・ω・`)「残念ながらそこまではまだ解らない‥‥」

内藤はまた黙ってページに目を落とす。
と、何かに気付きマスターに声をかけた。

( ^ω^)「この<彼女>というのは誰だお?」

57 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 00:02:00 ID:13Ec21LnO

(´・ω・`)「あ‥‥ああ、君の父さんの助手をしていた女性だよ。と ても綺麗なひとだった‥‥
      ‥‥なんて事のない実験だったはずだったんだ‥‥」

( ^ω^)「マスターもその実験に‥‥‥?」

(´・ω・`)「ああ、私がまだ研究者だった頃の話だ。
      君のベルトと似たような装置のエネルギーの計測実験中だった‥‥‥‥
      実験開始後間もなく、ベルトに残されたエネルギーが暴走、冥界への扉を開いてしまったんだ。
      ‥‥‥‥気が付くと彼女は居なくなっていた‥‥アイツはずっと助けられなかった事を悔やんでいた‥‥」

( ^ω^)「そんな事が‥‥‥」

148 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:02:59 ID:13Ec21LnO

(´・ω・`)「研究者となり‥‥妻に先立たれ‥‥‥
       私もアイツも似たような環境に居ながら随分と違う所に来てしまったものだ‥‥」

( ^ω^)「‥‥‥」

内藤は何も言えなかった。
マスターの言葉が長岡と自分の別れを暗示しているようで怖かった。
それはあの空が割れた夜に感じた物よりずっとずっと重い意味で‥‥。

(´・ω・`)「その日記は君が持っていて欲しい。君の父さんの形見だからね。」

( ^ω^)「‥‥‥‥はいだお‥‥」

内藤は声を絞り出すように言った。それが精一杯だった。

149 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:03:31 ID:13Ec21LnO

(´・ω・`)「研究者となり‥‥妻に先立たれ‥‥‥
       私もアイツも似たような環境に居ながら随分と違う所に来てしまったものだ‥‥」

( ^ω^)「‥‥‥」

内藤は何も言えなかった。
マスターの言葉が長岡と自分の別れを暗示しているようで怖かった。
それはあの空が割れた夜に感じた物よりずっとずっと重い意味で‥‥。

(´・ω・`)「その日記は君が持っていて欲しい。君の父さんの形見だからね。」

( ^ω^)「‥‥‥‥はいだお‥‥」

内藤は声を絞り出すように言った。それが精一杯だった。

152 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:11:03 ID:13Ec21LnO

それから二日間は何事もなく平和な日が続いた。

内藤はやることもないので仕方なく学校に行ったりバーボンハウスに通ったり、本当に普通の生活を過ごした。

学校での話題はもっぱら街や病院で起こった怪人の噂についてだったが、そのほかは全くもって日常そのもの‥‥

だが一番大切な物が欠けていた。
いつもそばにいたはずの長岡が居ない現実が内藤の胸を締め付けた。

3日目もいつものように学校へ通う。本当に普通の生活‥‥。
しかし内藤はそれが自分にとってつかの間の平和でしかない事を知っていた

(; ^ω^)(授業だるいお‥‥ん?)

内藤は自分のバッグに入った父親の日記を見つけた。
内藤は何となくページをパラパラとめくる。

父が亡くなる三日前の分からページは破かれなくなっていた。

153 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:13:11 ID:13Ec21LnO

( ^ω^) (ここに書いてあったのは一体何だったんだお‥‥?)

内藤は五年前の自分の中の父親の記憶を必死に掘り起こそうとした。

( ^ω^) (‥‥そうだお。父さんは死ぬ数日前からどこかに出掛けていた‥‥
      それで僕とマスターが実家に迎えに行くことにしたんだお‥‥。)

赤い‥‥三つのオーパーツ‥‥。父さんは何を見つけたのだろう。
そしてそれは今どこに‥‥‥。


授業は終わったが部活に出る気がしない‥‥。
内藤はそのまま帰る事にした。

154 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:14:53 ID:13Ec21LnO

「あ!!内藤君サボる気ね!!」

帰る途中だった内藤は急に声をかけられドキッとした。
厄介な人に見つかってしまった。

(; ^ω^)「や‥‥やあツン先輩‥‥。」

ツン「まったく!!もう一週間も部活出てないじゃない!?コーチもカンカンよ!!!」

( ^ω^)「まだ調子が悪いんだお‥‥ツン先輩も帰るのかお?」

ツン「私はサボりじゃないわ。今日お姉ちゃんが退院するの。」

( ^ω^)「もう大丈夫なのかお?」

ツン「うん。内藤君にありがとう、って。
   まったく‥‥何で私がこんな事伝えなきゃならないのかしら」

( ^ω^)「どういたしましてだお」

155 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:16:17 ID:13Ec21LnO

ツン「‥‥‥‥ねえ‥‥内藤君‥‥?」

ツンは急におとなしい声になった。

ツン「‥‥長岡君は‥‥どうしちゃったの?」

( ^ω^)「長岡は戻ってくるお」

内藤は少し大きな声で答えた。

( ^ω^)「長岡は少し旅に出てるだけだお。もう少しすればひょっこり戻ってくるお!!」

嘘ではない。助けると約束した。
絶対にアイツは戻ってくる。絶対に‥‥‥‥!!

156 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 21:22:17 ID:13Ec21LnO

ツン「そう‥‥ならいいけど‥‥
   本当にあんた達二人そろって人騒がせなんだから。」

( ^ω^)「昔からよく言わr‥‥‥‥!!!!!!!」
急に襲って来たその感覚に内藤は言葉をつまらせる。

(; ^ω^)(くッ‥‥‥またノイズ!!!!!!しかもこれは‥‥‥)

覚えのあるノイズ。
あの得体の知れない女の妖しい微笑みが内藤の脳裏に浮かぶ。

ツン「どうしたの!?顔色悪いわよ!?」

(; ^ω^)「大丈夫だお。
      それよりごめんだお。用事を思い出したから先に行くお」

内藤は急いで走り出す。

ツン「あ‥‥ちょっと!!‥‥」

ツンは内藤を呼び止めようとしたが、内藤の背中はあっという間に見えなくなってしまった

ツン「まったく!!あれのどこが調子悪いのよ!!」

174 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 23:37:39 ID:13Ec21LnO

(; ^ω^)「はあはあ‥‥確かにこの辺りだお‥‥」

内藤がノイズを辿って着いたのは狭い裏路地の行き止まりだった。

(; ^ω^) (でも‥‥誰も‥‥)

「意外と早かったわね」
突如現れた背後の声に内藤は振り向き警戒の構えを取った。

謎の女「答えたは決まったかしら?」

( ^ω^)「決まったお‥‥」

そう言うと内藤はゆっくりと左手を差し出した。

175 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 23:40:23 ID:13Ec21LnO

( ^ω^)「絶対にお前達の野望を阻止してみせるお」

内藤は左手の拳を強く握り締め女に向かって突き出して言った。
女は目を閉じて無表情のまま沈黙している。

( ^ω^)「わかったんだお‥‥最初の怪人が何故僕を見つけて喜んだのか‥‥安堵していたのか‥‥
      彼は苦しんでいたお‥‥自分の心を‥‥魂を喰らう力を抑えきれずに‥‥
      彼は僕が自分を滅ぼしてくれることを‥‥解放してくれることを知っていたんだお
      だから‥‥」

176 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/10(木) 23:42:23 ID:13Ec21LnO

内藤は強く握られた拳を自分の胸にあてた。

( ^ω^)「僕はあんな悲しい想いをさせる人達を増やしたくない!!
      だから僕は戦う!!!そう決めたんだお!!!!!!」

謎の女「そう‥‥残念ね‥‥ならば貴方は私達の前に立ちふさがるただの障害。
    私達は貴方を潰すわ」

( ^ω^)「僕にはもう迷いは無いお。」

内藤はそう言うとゆっくりと戦う構えを取った。
しかし女は内藤に手のひらを向け制止した。

謎の女「残念だけど今日はこれで帰らせていただくわ。
    この事をあの人に報告しなくてはならないしね。」

謎の女の体を光が包みだす。

謎の女「また会いましょう」

次の瞬間光が散ると女の姿は消え去っていた。
内藤は無言で路地から通りへと足を向ける。
辺りは黄金色の夕日に染められていた。

314 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/12(土) 23:33:47 ID:Rw3u/qM9O

「そうか‥‥奴はあくまで俺達と袂を分かつか‥‥」

玉座に座した謎の男の静かな声が闇の中に響き渡る

謎の女「は‥‥そのようで‥‥」

('A`)「ハッ!!野郎、雑魚を何匹か倒したくれーでいい気になっているようだな。気に食わねーぜ」

不機嫌そうな声と共に別の男が闇の中から姿を現す。

( ゚д゚ )「そう言うな。彼は本来我ら以上の力を持つ者。
   元々出来損ない共に叶う相手では無いと言うことだ。」

同じように突如として現れた男が不機嫌そうな男の言葉に口を挟んだ。

('A`)「うるせーよ。こっち見んな。」

319 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/12(土) 23:36:56 ID:Rw3u/qM9O

謎の女「止めよ!!我らが王の御前であるぞ!!」

「構わないさ。頼もしい限りだよドクオ」

ドクオ、と呼ばれた男はフン、と鼻で笑い謎の男の言葉に答えず姿を消した

( ゚д゚ )「王よ。奴の処分は私の部下にお任せ下さい。必ずや奴の首を持ち帰って見せましょう。」

「‥‥いいだろう。奴はお前に任そう。」

( ゚д゚ )「は‥‥必ずや吉報を届けて見せます。」

男は玉座にひざまずきながら闇に溶ける様に消えていった。

謎の女「では‥‥私もこれで‥‥」

「待て。」

同じく去ろうとした女を玉座の男は呼び止めた。

謎の女「は。まだ何か?」

「いや‥‥何でもない」
そう言いながら男の顔は笑っていた。

(フフ‥‥いいおっぱいだ‥‥)

324 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/12(土) 23:46:52 ID:Rw3u/qM9O

(; ^ω^) (く‥‥こんな時に‥‥!!)

大学で講義を受けている途中だった内藤をノイズが襲う。
ここ数日はあの女の接触が一度あるだけで怪人の襲撃は無かった。それがこんなタイミングで‥‥。

( ^ω^)(でも‥‥これは‥‥)

ノイズはあの女の物の様に安定したものだった。
しかし以前感じた女のノイズと大きく違うのは流れ込む感情が自分に対するはっきりとした敵意と殺気だったことだ。
内藤はノイズの持ち主が自分一人を狙っているものだと言うことを感じ取った。

内藤は講義をこっそりと抜け出し大学の外に出ると闇雲にどこかに走り出す。

( ^ω^) (僕一人を狙っているなら‥‥戦っても誰も巻き込まない場所まで誘導出来るはずだお)

331 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/13(日) 00:10:42 ID:ErQZOJevO

内藤は一軒の大きな廃ビルを見つけ、立ち入り禁止のロープを飛び越え中 を見渡す。

タバコの吸い殻や壁の落書きから夜は不良の溜まり場になっているようだが、まだ昼前だからか人のいる気配はない。

( ^ω^)(よし、ここなら大丈夫だお!!!)

内藤は立ち止まり両腕をバッと横に伸ばし、叫ぶ

      (^ω^)⊃「変身!!!!!!」
      (⊃◎:)
     /  ヽ

内藤のベルトから溢れ出した光は内藤の体を別のものへと変えていく。
光の戦士仮面ライダーBOONへと‥‥‥

       ヽ   !
      (=ЮωO)⊃
      (⊃¥)
     /  ヽ

336 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/13(日) 00:33:09 ID:ErQZOJevO

変身を終えた内藤を突然光の矢が襲った。

内藤はとっさに後ろへ跳びそれを避ける。
空を切った矢は足下のコンクリートに刺さり、やがて消え失せた。

しかし矢が風を切る音が次々と放たれる
矢はマシンガンの弾の様に飛んで来ていた。
内藤はそれを確認すると光の弾幕を素早い動きで一本一本回避していく。

全て避けきり、薄暗い廃ビルの中に静けさが戻る。
だが突如拍手の音が静寂を破った。

「素晴らしい。あの攻撃に全て反応してみせるとは‥‥予想以上の様だな。」

 ヽ   !
(= ЮωO) 「誰だお!?」

338 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/13(日) 00:54:16 ID:ErQZOJevO

( ゚д゚ )「自己紹介がまだだったな。私は<導くもの>三幹部が一人。名は‥‥」

 ヽ   !
(= ЮωO) 「こっち見るなお」

( ゚д゚ )「‥‥‥‥自己紹介は最後まで大人しく聞くものだ。」

眼光の鋭い男は自己紹介が邪魔されたことか、或いはこっちを見るなと言われた事に腹が立ったのか不機嫌そうに答

えた

( ゚д゚ )「まあいい。今ここで死ぬお前には関係の無い事だったな」

 ヽ   !
(= ЮωO)「やるのかお?」

内藤は静かに構えて言った。

( ゚д゚ )「残念ながらお前の相手をするのは私ではない」

477 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/14(月) 21:44:51 ID:cimD/TniO

 ヽ   !
(= ЮωO)「どういうことだお?」

( ゚д゚ )「すぐにわか‥‥」

男が言い終わらないうちに内藤の足下にひびが入る。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「な‥‥何だお?」

( ゚д゚ )「‥‥どいつもこいつも人の話は最後まで聞けと‥‥まあいい。
   行け!!タラバ怪人バーバーキング!!!」

(V)[´目`](V)「シャ☆キーン!!」

男が叫んだ瞬間に鋭いハサミが床を突き破り、そのまま内藤に襲いかかる。

479 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/14(月) 21:45:48 ID:cimD/TniO

 ヽ   !
(= ЮωO) 「くっ!!」
不意を突かれたものの何とか一撃目をかわすことができたが、怪人は鈍重な見た目に似合わない流れるような動きで

連撃を繰り出してくる。

ギリギリの所で猛攻を避ける内藤だったが遂に壁際まで追い詰められてしまった。

(V)[´目`](V)「シャ☆キーン!!!」

怪人の素早い突きが内藤を襲う。
屈むことで避ける事が出来たが怪人のハサミは内藤の背後のコンクリートの壁を、まるでウエハースでも砕くかの様に

軽く粉砕してみせた。
内藤の頭上にパラパラとコンクリートの細かい破片と粉が散る

481 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/14(月) 21:48:06 ID:cimD/TniO

怪人は逆の腕を乱暴になぎ払い内藤のボデイを打ちすえた。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「ぐっ!!」
衝撃で横に飛ばされた内藤は壁に叩きつけられる寸前で反転し、壁を蹴って、その反動を利用して反撃に出た。

 ヽ   !
(= ЮωO)⊃ 「ブーンフライングチョップ!!」

内藤の視界に大きく息を吸い込む怪人の姿が見えた。

[´目`]。Ο◯ ◯ 「ブワワワワワワワ」

息と共に大量に吐き出された泡が内藤の視界を奪う。

482 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/14(月) 21:51:15 ID:cimD/TniO

 ヽ   !
(= ЮωO)「くっ!?目潰しかお!?」

空中からの攻撃が外れ、着地した内藤に間髪入れず怪人の攻撃が襲う。
怪人は大きく腕を上に振り、内藤の体を突き上げた。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「ぐあっ!!」

内藤の体は頭上に投げ出され、天井に叩きつけられ、落下した。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「くっ!!強いお。」

力を振り絞り立ち上がろうとする内藤に向かって蔑む様な口調で男が口を挟んだ。

( ゜д゜ ) 「フン、口ほどにもない。トドメを刺してやれ。」

(V)[´目`](V)「シャ☆キーン」

568 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/16(水) 08:26:05 ID:uiBfLsX5O

 ヽ   !
(= ЮωO) 「くっ!!まだ‥‥まだ負けるわけにはいかないお!!」

内藤は立ち上がりゆっくりと構えた。

 ヽ   !
(= ЮωO) (ベルトに蓄えられたエネルギーを全て解放するしか‥‥でも‥‥)

内藤は高みの見物を決め込む男を横目で見た。
ここでエネルギーを使い果たしてしまったらこの男を倒す余力が無くなってしまうだろう。
だが‥‥

 ヽ   !
(= ЮωO) (ここで負けたらそれどころじゃないお‥‥!!一か八か全力で行くお!!!!!)

569 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/16(水) 08:27:13 ID:uiBfLsX5O

 ヽ   !
(= ЮωO) 「うおおおおおおおお!!!!!」

内藤が気合いを込めるとベルトからまばゆい光が溢れだした。
怪人はそれに怯んだのか動きを止める。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「トウ!!」
まさに光の如く一瞬で怪人との間合いを詰め、強烈な拳を叩き込む。
怪人は大きくよろめいたが倒れる暇も与えず内藤の蹴りが怪人の堅い甲殻を打ち砕いた。

次々と強烈な連撃を繰り出し怪人を圧倒するが、怪人は一瞬の隙を突いてその巨大なハサミで内藤の頭を挟んだ。
万力の様な凄まじい力が内藤の頭を締め付ける。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「ぐっ!!」

571 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/16(水) 08:28:37 ID:uiBfLsX5O

内藤は強い痛みに小さな叫びを漏らしたが怯むことなく、怪人のひびが 入った胸に左の掌をあてがった。

 ヽ   !
(= ЮωO) 「ゼロ‥‥ッ!!距離!!」

内藤の左手に光が収束する。そしてそれは一本の光となり怪人の体を穿つ。

 ヽ   !
(= ЮωO)、「VIPビィィィィム!!!!!」


            ノ ̄ ̄\                       _ _ ___ _ __ _
 ≡. ヽ   ! V /  / ̄ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄__ _ _ __  _ __ _
≡ (=ЮωO)⊃I   /     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                
≡ (⊃¥)   P  ヽ    ________________  _ _ ___ _ _ __ __ _
 ≡/  ヽ    \ ヽ_/___________________ _ _  _ _  _
            ヽ___ノ

579 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/16(水) 09:49:05 ID:uiBfLsX5O

やがて内藤の放つ光は次第に細くなっていき、一本の線になったかと思う と消え失せていた。
腹に大きな穴を開け、立ち尽くす怪人。
急にハサミから力が抜けたと思った瞬間に怪人の体が爆発した。

爆発が収まり、光の霧の様な物が辺りを包む。
その中にあったのは元の姿に戻ってしまった内藤だった。

内藤はその場に崩れる様に膝をついた。
今の攻撃で力を使い果たしてしまったのだ。

内藤の姿を確認し男がゆっくりと近付いてくる。
心なしかその顔には笑みがこぼれていた。

580 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/16(水) 09:50:42 ID:uiBfLsX5O

万事休す。立ち上がろうにも内藤の膝には力が入らず、虚しく震えるだけ だった。

突然男は高く笑い声をあげた

( ゚д゚ )「素晴らしい。素晴らしいよ!!お前!!!」

(; ^ω^) 「‥‥‥‥」

( ゚д゚ ) 「お前、名前は?」

(; ^ω^)「仮面ライダー‥‥ブーン。
      お前達に名乗る名前は‥‥それで十分だお‥‥。」

内藤は朦朧とする意識の中、精一杯男を睨みつけ言った。
それに男は笑いを抑えながら言葉を吐く。

( ゚д゚ ) 「くくく、尚も強がるか。気に入ったぞ。やっと退屈な時間が終わる。」

581 名前:
1 ◆ndPkY/NmQ6 投稿日: 2005/11/16(水) 09:52:12 ID:uiBfLsX5O

( ^ω^)「どういう‥‥事だお?」

( ゚д゚ )「<あの御方>が味方についた事を正直がっかりしていたんだ。
     ようやく<敵>と成りうる力を持った人間が現れたのにと‥‥」

( ^ω^)「‥‥‥‥」

( ゚д゚ )「だがお前が現れた‥‥やっと全力で力を振るうことが出来る。
      お前は私が全ての力を以て殺す。誰にも邪魔はさせない。
      お前はまだ強くなる。その時が楽しみだよ。」

( ^ω^)「うるさ‥‥いお‥‥こっち‥‥見るな‥‥お‥‥。」

内藤の意識が切れ、冷たいコンクリートの床に音を立てて倒れた。
男はそれを見て満足するように壊れた窓から射す光の中へ消えていった。


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