第二章

111 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 21:11:53 ID:RFUKI4i00

爽やかな朝だった。
高く澄んだ秋の空。窓から、柿の実が生っているのが見える。
だが、体は重かった。
ベッドから足を下ろしたとたん、眩暈がした。
どうやら風邪をひいたようだ。
昨日、チンコ丸出しでオナッたからかな・・・・・。
ツンデレをおかずにした罪悪感も伴って、気分はどんどん悪くなっていった。
―今日は休もう。

同じ授業を受けているドクオ君の姿が無かった。
―昨日のこと・・・気にしてるのかな。
別にいいのに。
そんなことより、ドクオ君がいないとお見舞いにいけない。
あとで電話してみよう。
(’д’)ねえツンってさぁ
ξ*゚-゚)ξ何?
(’д’)最近ドクオ・・・だっけ?一緒にいるの良く見かけるけど
ξ*゚-゚)ξ?
(’д’)付き合ってんの?
ξ゚听)ξち、ちがうわよ。内藤君のお見舞いで――
(’д’)いつも一緒に行ってるの。
ξ゚听)ξたまたまよ。今日は一人で行くわ
(’д’)へぇ・・・内藤のどこがいいわけ?あんな、しまりの無い顔・・・・
―顔じゃない。内藤君は・・・私を元気付けてくれた。優しい人。
ξ゚-゚)ξ・・・あなたに、内藤君のよさはわからない
(#’д’)?!何よ?えらそうに―ちょっと!

――何も知らないくせに。

114 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 21:20:25 ID:RFUKI4i00

うとうとしていると、携帯が鳴った。
ツンデレさんだった。
――もしもし?
ξ゚听)ξドクオ君?今日来なかったけどどうしたの?
――あ・・・風邪ひいて・・・ゲホッ、ゴホゴホ
ξ゚-゚)ξ大丈夫?何かいるものある?
――いや・・・何とかなるよ。コンビニ近いし・・・・
昨日の今日なので、正直言って顔を合わせたくない。
――・・・ねえ
ξ゚-゚)ξ何?
――・・・見舞い、行ってくれよ
ξ;;;;;)ξ・・・・
――・・・頼む
ξ;;;;;)ξ・・・・
――僕より喜ぶ。お願いします
わかった、と小さな声が聞こえ、すぐに電話は切れた。

116 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 21:41:23 ID:RFUKI4i00

(・∀ ・)アメリカから来た、Dr.中嶋バルケンを紹介しますwwwww
( ,' 3 )中嶋バルケンです。
(*゜ー゜)よろしくおねがいします。
(・∀ ・)患者は内藤ホライゾン(21)、一ヶ月前に発症。症状の悪化は無し。
( ,' 3 )・・・・・・。
(*゜ー゜)病室はこちらです

( 'ω`)アれ・・・ドくおは・・・?
ξ゚-゚)ξ風邪引いてこれなかったの
( 'ω`)そゥ・・・・蟻がトゥ
ξ゚听)ξべ、別に心配だから来たわけじゃないんだから!ドクオ君に頼まれただけよ!
――しまった。まただ。
( 'ω`)・・・運・・わカッпE・・・
ξ;;;;;)ξ・・・・
そのとき、ドアがノックされた。
(・∀ ・)失礼しますー
(*゜ー゜)あら、こんにちは
( 'ω`)せんせィ・・・
(・∀ ・)こちらがDr.中嶋バルケンです
( ,' 3 )中嶋バルケンです

ξ゚听)ξ!!あ・・・・・・荒巻スカルチノフ・・・・!

( 'ω`)?
(・∀ ・)?
(*゜ー゜)?


( ,' 3 )なぜその名を知っている?

158 名前: ◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 23:02:54 ID:RFUKI4i00

ξ;゚-゚)ξ・・・・・
( ,' 3 )まぁいい。内藤さんを診るから、ちょっと退室してください
(*゜ー゜)こちらへどうぞ。
ツンデレは看護師と一緒に部屋を出て行った。
(・∀ ・)どうですかね?
Dr.中嶋バルケンは内藤の脈をはかり、いくつか質問をした。
( ,' 3 )この病気の原因はわかっています。私の研究所で突き止めました。
(・∀ ・)流石です
( 'ω`)・・・・・。
( ,' 3 )治療は困難です。しかし、進行を食い止めることは出来る。
           i::::::::/'" ̄ ̄ヾi
           |:::::::| ,,,,,_  ,,,,,,| >>またんき
           |r-==( 。);( 。)   
           ( ヽ  :::__)..:: }
        ,____/ヽ  ー== ;  ほほう それでそれで?
     r'"ヽ   t、   \___ !
    / 、、i    ヽ__,,/
    / ヽノ  j ,   j |ヽ 
    |⌒`'、__ / /   /r  |
    {     ̄''ー-、,,_,ヘ^ |
    ゝ-,,,_____)--、j
    /  \__       /
    |      "'ー‐‐---''
( ,' 3 )Dr.またんき、ちょっと黙ってください

162 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 23:11:11 ID:RFUKI4i00

( 'ω`)進行を食いと眼る事はで切る。完全に治巣ことは出来なィ。 打から不治の病、と謂うことかヲ・・・?
( ,' 3 )そうだ。その治療法については明日説明する。
( 'ω`)有我等ご在マス・・・
(・∀ ・)ということです


(*゜ー゜)はい。熱いから気をつけてね。
ξ゚-゚)ξありがとうございます
ツンデレはカップに注がれた紅茶を一口飲んだ。
(*゜ー゜)今日、ドクオ君は?
ξ゚-゚)ξ風邪をいいたそうです。
(*゜ー゜)あら・・・そっちのお見舞いはいいの?
ξ゚-゚)ξ内藤君のほうに行けって言われて・・・
(*゜ー゜)そうなの。ドクオ君っていい人なのね。

168 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 23:22:51 ID:RFUKI4i00

(・∀ ・)終わったおー
( ,' 3 )君、名前は?
ξ゚-゚)ξ・・・ツンデレ
( ,' 3 )次はいつ来るの?
ξ゚-゚)ξ・・あさってです
( ,' 3 )まってるよ。さあ、もう遅いから帰りなさい
――なんだろう。この人。
似た顔の人を、私は知っている。偶然だろうか。――そうであってほしい。

携帯の着信音で眼が覚めた。
またしてもツンデレさん。
ξ゚-゚)ξもしもし・・・
――どうだった?
ξ゚-゚)ξなんか、偉い先生が来て、見てもらってた
――へー・・・・
ξ゚-゚)ξ大丈夫?
――寝たらよくなったよ。まだ明日は休むけど
ξ゚-゚)ξノート、とっておこうか?
――いいの?
ξ゚-゚)ξそれくらいいいよ
――ありがとう。じゃ、また。
電話を切ったとたん、寂しさが降ってきた。
――フラグキタコレ?もしかして?

ドクオはツンデレを好きになってしまった。

173 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/14(月) 23:42:25 ID:RFUKI4i00

⊂⊃                      ⊂⊃
        ⊂ \       /⊃
          \\/⌒ヽ//
   ⊂⊃  ((   \( ^ω^)    ))
            /|    ヘ       空も飛べるはず
          //( ヽノ \\
        ⊂/   ノ>ノ    \⊃
             レレ   スイスーイ   ⊂⊃
           彡
\____________________/
                 
  (⌒)
   ̄
  O
( 'ω`)・・・・ん
( 'ω`)おはようございます
( ,' 3 )おはよう。気分はどう?
( 'ω`)かなりいいです。話せルし。。。
(・∀ ・)よかったおー
治療は早くも順調に進んでいた。
( ,' 3 )一生この病気を背負うわけだけど、定期的に病院でチェックすれば大丈夫だからね
( 'ω`)はい
Dr.中嶋バルケンは見かけこそ怖いが、優しくて優秀な医師だった。

( 'ω`)いつもありがとう・・・
ξ゚听)ξド、ドクオ君の代わりに来てるだけだから!
(*゜ー゜)そういえばドクオ君最近来ないわね
ξ゚-゚)ξ研究発表があるとか・・・
( 'ω`)前みたいに・・・一緒に来てほしいお・・・・

177 名前:
◆fDrvxgSyBQ [sage] 投稿日: 2005/11/15(火) 00:17:44 ID:Q4+r58e10

――ツンデレと内藤が一緒にいるところを見るのは辛い。
そもそも、二人のほうが仲が良かったんだ。
僕はずっと一人だったし、これからも一人。
恋人が右手。
魔法が使えるようになるかもな、と自虐してみる――
ξ゚-゚)ξドクオ君
――!ツンデレさん・・・・
ξ゚-゚)ξ今日、内藤君のところ行かない?
――あー・・・
ξ゚-゚)ξちょっとだけでいいから。
おねがい、といいながらまっすぐに僕を見つめる。
ウェーブのかかった髪。大きな瞳。柔らかそうな唇――
見ているだけで勃起しそうになったので、慌てて眼をそらした。
――コンビニでバイトはじめたし・・・
ξ゚听)ξ内藤君が来てほしいって言ってるのに!!
(’д’)なにー痴話喧嘩ー?
ξ゚听)ξうるさいわねっ
(’д’)うわ、チョーコワーイw
ξ゚听)ξ黙って!
――わかった、行くよ

( 'ω`)あ・・・ドクオ君・・・!
――久しぶり
( 'ω`)だいぶ・・良くなったお・・・・
――そうみたいだな。忙しくていけなくて・・・
( 'ω`)いいお。気にしなくて
ξ゚-゚)ξ・・・・

202 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/15(火) 11:40:16 ID:Q4+r58e10

ξ゚-゚)ξ何かあったの?
――え・・・?
ξ゚听)ξなんだかよそよそしかったじゃない。
――・・・・
ξ゚听)ξ変よ。なんか・・・別に私は心配してないわ。内藤君が、心配してるようだったから
――疲れてるだけだから。バス来たよ。
ツンデレさんは怪訝な顔をしてバスに乗った。
国道を走り去っていくバスを見送りながら、ため息をつく。
まさか、こんなことになるなんて。一生無いと思ってたのに。
密かにあこがれていた。けれど実際になってみると、苦しい。
いままで、俺は何をしてきたんだろう。
ツンデレさんの姿を見ると胸が高鳴る。
話しているだけでうれしい。
なのに
この痛みは――

内藤が―ブーンが病気にさえならなければよかった。
思っても仕方が無いことだけれど。

203 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/15(火) 11:51:13 ID:Q4+r58e10

バスの中でツンデレは考えている。
――ドクオ君と内藤君は友達。
私は内藤君が好き。
ドクオ君はわかってくれてるよね。
退院したら3人でなにかしたい。
そして、内藤君に思いを打ちあけよう。
変わらなくちゃ。
駅に着き、ツンデレは地下鉄に乗り換えた。
帰宅のサラリーマンでぎゅうぎゅうだ。
どうにか隙間を見つけてほっと息をついたのも束の間―
―え・・・なにこれ・・・・
だれかがお尻をなでていた。
―やだ・・・
場所を変わろうと体を動かしたがムダに終わり、それどころか何を勘違いしたのか、
痴漢の手は下着の上になっていた。
電車が停車し、さらに人が入ってきた。
ツンデレと痴漢は密着した。
―いや
手がお尻から前になった。耳元で、荒い呼吸音が聞こえる。
―気持ち悪い・・ヤダ。。誰か。。助けて――内藤君―
「あなた、何をしているんですか?」
聞き覚えのある声がした。
振り返ると、中年のサラリーマンが腕を掴まれていた・。
腕を掴んでいるのは―
――中嶋バルケン先生

232 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/15(火) 21:07:24 ID:Q4+r58e10

( ,' 3 )熱いから気をつけて
中嶋バルケンは、自販機で買ったお茶をツンデレに渡した。
コンコースのベンチに並んで腰掛け、お茶を飲んだ。
ξ゚-゚)ξありがとうございます
( ,' 3 )家はどこ?
ξ゚-゚)ξ駅の近くです。
( ,' 3 )もう遅いから送っていこう。
スーツの上にコートを羽織った中嶋バルケンに少し違和感を覚えた。
――いつもは白衣を着ているからかな
それになんだか―内藤君にどこか似ている。
どこだろう?
中嶋バルケンは何も話さなかった。黙って二人は歩いた。
ξ゚-゚)ξ今日はありがとうございます。
( ,' 3 )いやいや。また来てください
ξ゚-゚)ξはい
( ,' 3 )それと、個人的に君に話したいことがある
ξ゚-゚)ξ?
( ,' 3 )今週の土曜日はあいてるかな
ξ゚-゚)ξは、はい・・・
( ,' 3 )土曜日の14時に、さっきの駅前でいい?
ξ゚-゚)ξ大丈夫です
( ,' 3 )じゃ、おやすみなさい
ξ゚-゚)ξおやすみなさい
いったい、なんなのかしら――

235 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/15(火) 21:15:43 ID:Q4+r58e10

――その頃、病院では――
( 'ω`)(今日は月がきれいだなぁ・・・・)
満月だ。
両親がいたら、毎日お見舞いに来てくれるのかな?
( 'ω`)ふぅ・・・
(まさか、ツンデレさんがこんなに来てくれるとは思わなかったお。
でも、ドクオ君とあんまり仲が良くないみたいだお・・・)
ツンデレさん―
黒く長いウェーブのかかった髪。すこしつり目だけど、色白で――美人だ。
( 'ω`)ツンデレ・・・いいひとだお。
でも、彼女に恋をするのはつらい。
絶対につりあわない。
だから。
友達のままで言い。
ツンデレにはもっといい人がいるはずだお。
うん。
これでいいんだお――

239 名前:
◆fDrvxgSyBQ 投稿日: 2005/11/15(火) 21:24:00 ID:Q4+r58e10

単純に見えて容易くて
想いはいつもすれ違い
情けを仇を返す―なんてことも嘘じゃない

人の為に想いを押し殺そうとする者
自分の想いに素直になろうとする者
想いに気づかないふりをする者

未だ見えぬ未来への期待と不安
過ぎ去った過去の呪縛

最後に幸せになるのは――


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